AIで建築確認申請図書の作成をサポート|国交省が新サービスを無償公開

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2025年11月10日、国土交通省は、建築確認申請図書の作成を支援する新サービスを公開しました。
 本サービスは、日本建築防災協会が構築し、設計者・工務店・建築関係者向けに無償提供されるもので、建築確認申請に必要な主要項目の“記載漏れ”をAIが自動チェックする仕組みです。

 2025年4月の建築基準法改正を受け、申請図書の作成方法や留意点が大きく変わる中、実務の負担を軽減し、申請手続きを円滑に進めることを目的としています。

2025年建築基準法改正による確認申請図書への影響

2025年4月施行の建築基準法改正では、特に木造住宅を中心に、確認申請図書に求められる情報の整理方法や書式のあり方がアップデートされました。
 しかし運用開始直後は、

「どの項目が必須か分かりづらい」

「従来の書き方が使えない部分が出てきた」

「記載漏れが原因で再提出になる」

などといった声も上がり、建築確認申請図書の実務に大きな影響を与えています。
今回の支援サービスは、現場の事務作業をスムーズにするためのサポートとして位置づけられています。

AI建築確認申請図書チェックサービスとは?

建築確認申請図書作成支援サービスご利用の流れ

参考:一般財団法人 日本建築防災協会「建築確認申請図書作成支援サービスの利用について

AI建築確認申請図書チェックサービスは、2階建て・木造・延べ面積300㎡以下の軸組構法住宅(仕様規定で構造安全性を確認するもの)などを対象とし、申請図書(PDF)をアップロードするだけで、主要項目の記載漏れをAIがチェックする仕組みです。

主な機能

・確認申請図書に必要な主要項目について、記載の有無をAIがチェック
添付・記載漏れを事前に把握し、申請ミスを防止
・利用は無償で、ユーザー登録のみで使用可能
・利用回数は「1アカウントあたり24時間で5回まで」を上限に設定
・法令適合性の審査を行うものではなく、「記載漏れチェック」に特化

建築確認申請図書作成支援サービスの操作画面

結果画面を開くと、各チェック項目の詳細が表示されます。要確認となった項目については、マニュアルの該当ページのリンクも表示されます。

提供期間

2025年11月10日〜2026年3月9日(予定)
※期間中もフィードバックをベースに機能更新を実施
※システム全体の利用回数が上限に達した場合、サービス終了となることがあるため注意が必要。

実務者にとってのメリット

記載漏れによる差し戻しを減らせる

法改正直後は、項目の読み違いや記載漏れが起きやすく、審査の遅延につながるケースもあります。AIによる一次チェックがあることで、提出前にリスクを大幅に低減できます。

若手・新人の指導にも活用できる

変更点が多い時期は、ベテラン以外のスタッフが「何が正しい書き方か」を判断しづらい状況が生まれがち。
AIチェックを“標準フロー”に組み込むことで、教育・フォローの手間を軽減できます。

社内のワークフロー改善にも貢献

無料かつ手軽に使えるため、
 「AIチェック → 社内チェック → 提出」
 という流れを整備しやすく、申請業務全体の品質向上につながります。

建築確認申請図書作成支援サービス|まとめ

法改正のタイミングは、設計事務所・工務店にとって業務フローを見直す絶好の機会でもあります。
 今回公開された「建築確認申請図書作成支援サービス」は、申請作業の負荷を下げ、ミスを防ぐ“実務の味方”となるツールです。

特に、住宅設計や木造建築の案件を多く扱う方にとって、すぐに業務改善につながる内容となっています。提供期間は限られていますので、この機会に一度利用してみてはいかがでしょうか。

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