大阪・関西万博で採用された日本の建材企業6社を紹介!
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2025年に閉幕を迎えた大阪・関西万博。
その熱気をそのままに、実際のパビリオンで使用された建材が一堂に会する特別展示が開催されました。この展示は、国内最大級の建築資材検索サイト「建材ナビ」の協力により実現。世界に発信された日本の建材技術を“見て・触れて・感じる”貴重な機会となりました。
本記事では、万博で採用された6つの企業と、その代表的建材を紹介します。
タカラスタンダード株式会社「エマウォール」
“残念石トイレ”の造形を支えた壁装材
万博では、話題となった「残念石のトイレ」において、その石の形状に沿わせて設計された壁面に同社の壁装材「エマウォール」が使用されました。ポップアップステージ(西)やトイレ8にも採用され、幅広いシーンで活用されています。
2025年1月に内装材として実用化された「エマウォール・レーザーカットタイプ」は、今回の展示では外装パネルへの応用検証として採用されたもので、外装材としての可能性を探る取り組みとして注目されました。
タカラスタンダード株式会社は、キッチン・バス・洗面化粧台などの住宅設備機器を展開するメーカーです。1962年に世界初のホーローキッチン製造を開始して以降、ホーロー材料を用いた製品開発を進めてきました。
アイカ工業株式会社「セラール」
カラフルな“2億円トイレ”を彩った不燃化粧板
大阪・関西万博では、来場者の目を引いた「2億円トイレ」の壁面材として不燃化粧板「セラール(NM-2183)」が採用されました。「セラール」は耐久性と不燃性を備えた材料としてキッチンパネルから普及が進み、現在では医療・教育施設など多様な建築空間で使用されています。
アイカ工業株式会社は、メラミン化粧板「セラール」をはじめ、建築・化成品分野の製品を展開するメーカーです。同社の不燃化粧板は、住宅から公共施設まで幅広い用途に利用されています。
難波金属株式会社「エスパシオン」
インド館を飾ったアルミ製天井ルーバー
大阪・関西万博では、インド館の天井材としてアルミ製天井ルーバー「エスパシオン」が採用されました。フレームをクロス(格子)状に構成する軽量タイプで、スチール製ルーバーに比べ扱いやすく、施工負担や構造物への荷重を抑えられる点が評価されています。
仕上げはホワイト・シルバー・ブラックのほか木目柄を展開し、空間デザインに応じた利用が可能です。
難波金属株式会社(NANIWA)は、1962年の創業以来60年以上にわたり、金属加工技術を生かした建材の製造を行ってきたメーカーです。住宅・商業施設・公共空間などにおけるメタル建材の需要に対応し、意匠性と耐久性を両立した製品を展開しています。
高砂鐵工株式会社「すべらんなー®」
「スペイン館」の床材として活躍!機能美あふれるステンレス
大阪・関西万博のスペイン館では、滑り止め付きステンレス鋼板「すべらんなー®」が床材として採用されました。SUS304素材による耐食性と、エンボス加工による滑り止め機能を備えた材料で、食品工場・公共施設などでも利用されているタイプの建材です。
高砂鐵工株式会社は、鉄鋼およびステンレスの圧延技術を基盤に、幅広い金属材料を扱うメーカーです。普通鋼・特殊鋼に加え、ステンレス素材を用いた加工製品も展開しています。
アイオーシー株式会社「天然木デッキ(セランガンバツ)」
5つの国・地域パビリオンに選ばれたデッキ材・フローリング材
大阪・関西万博において、クウェート、ポーランド、フィリピン、カタール、ORA外食の計5パビリオンに建材を提供しました。クウェートパビリオンでは天然木デッキ材「セランガンバツ」が採用され、耐久性を求められる屋外空間に用いられています。
ポーランドパビリオンでは、節の少ない幅広ロングタイプのフローリングと、うづくり加工を施したラスティックグレードのフローリングが床全面に使用され、異なる木質の表情を組み合わせた空間として構成されています。
アイオーシー株式会社は、フローリング・デッキ材など天然木を中心としたインテリア建材を扱うメーカーです。住宅から商業空間まで多様な木質建材を提供しています。
小嶋織物株式会社「KYOTO IZUMI Aoi 5101」
迎賓館を彩った“ミャクミャクが浮かぶ”織物壁紙
迎賓館に展示されたのは「KYOTO IZUMI」シリーズ。 織物壁紙にデジタルプリントされた“ミャクミャク”の赤と青が鮮やかに浮かび上がります。
「Aoi」は、平織特有の素朴な質感が魅力のファブリック調壁紙で、どんな空間にも自然に溶け込むナチュラルカラーを幅広く展開しています。糸づくりから製織、仕上げまで自社一貫生産を行うことで、カスタマイズ対応はもちろん、高品質・短納期・低コストを実現しています。
小嶋織物株式会社は、麻・綿・レーヨン糸を使用した織物壁紙・襖紙を生産するメーカーで、一貫生産体制による品質管理を強みとしています。
株式会社竹六商店「炭化煤竹」
世界の来場者をもてなしたベンチに“日本の竹”を
大阪・関西万博のベンチには、竹を高温蒸気で燻して加工した「炭化煤竹(たんかすすたけ)」が使用されました。炭化処理により、防虫性・防腐性が高まり、深い色味が生まれる竹材として採用されています。
竹六商店は、竹を中心とした建築内装材を扱うメーカーです。竹材の特性を活かした製品開発を継続しており、茶室・住宅・商業空間などで幅広く利用されています。
世界中から注目を集めた大阪・関西万博。
その裏で、半年間にわたり来場者を支えた“建材”たちは、どれも日本の技術と美意識の結晶でした。
展示を通して、素材に込められた職人の知恵と、設計者の工夫のかけ算を肌で感じることができました。







