ホームズ君「構造EX」との連携を徹底解説!【3Dアーキデザイナー、3DマイホームデザイナーPRO】

  • 取材

ホームズ君「構造EX」は、株式会社インテグラルが開発する木造軸組構法住宅・建築物用の構造計算ソフト。3Dアーキデザイナー・3DマイホームデザイナーPROシリーズとスムーズに連携ができるので、間取りの構造計算をするのに非常に便利です。

2025年4月からの4号特例の縮小によって、構造への関心が高まり「許容応力度計算を内製化したい、対応できる人材を育成したい」と考える企業も増えているのではないでしょうか。
当記事では、2つのソフトがどのように連携できるのか、また「構造EX」ではどんなことができるのかを解説します。

住宅性能診断士ホームズ君「構造EX」

株式会社インテグラルが開発する木造軸組構法住宅・建築物用の構造計算ソフト。(許容応力度計算)
2025年改正建築基準法にも対応しており、長期優良住宅・住宅性能表示制度(耐震等級や断熱等級等) の各種計算・申請も可能になるツールです。

データ連携は、約1分!こんなにもカンタンに取り込める

まず、「構造EX」を立ち上げます。
新規作成画面から[ データ連携 ] -[ マイホームデザイナーデータ取込 ]を選択して、お使いの3Dデザイナーシリーズを選択し、読み込むデータを選ぶだけ。

構造EXの操作画面にデータ取り込みのメニューがある

すると、自動的にバックグラウンドで3Dアーキデザイナーが立ち上がりデータの読み込みが始まります。
「読み込みました」のメッセージが表示されたら、これで完了!
あっという間に3Dアーキデザイナーのデータが「構造EX」に取り込まれました。

※3DマイホームデザイナーPROシリーズでも同様の操作です。
※上記の方法は、3Dアーキデザイナーと「構造EX」のソフトが同じパソコンに入っている必要があります。もし、別のパソコンにデータを渡したい場合は「CEDXM」形式でエクスポートし、取り込むことが可能です。

取り込んだデータはどうなっているの?

「構造EX」でデータを表示すると、間取りに加え、部屋名、開口部の情報、床高・階高の高さ情報などが取り込まれます
3Dアーキデザイナーで配置した3Dパーツや外構部分は自動的に省き、構造計算に必要な情報のみが連携されますので、施主との打ち合わせに使用しているデータがそのまま使用できます。

「構造EX」で何ができる?【建築基準法の確認申請適合判定】

ここから、「構造EX」を使って仕様規定による耐震等級を確認する手順をご紹介します。
3Dアーキデザイナーとの連携で間取り等のデータが入力されているので、営業マンでも初期プレゼンで性能をアピールすることが可能です。
まずは、3Dアーキデザイナーのデータを取り込んだら、計算に必要な建物の高さ・荷重の情報を設定します。

柱を追加
自動機能で主要なところに柱を追加することも可能。

壁の量や柱の小径を決める
高さ情報(軒高さ、最高高さ、軒の出、屋根勾配)を入力し、屋根・外壁の部材を選択します。

2025年法改正前は、重い建物・軽い建物の選択のみで壁量が決まっていましたが、改正後は、建物の仕様(太陽光のありなしや部材等)により荷重が想定され、この荷重をもとに壁量、および、柱の小径の適合基準が決定されます。

これで基本的な設定は完了です。

つぎに、「構造EX」の建築基準法ナビから目指す耐震等級を設定。
すると、瞬時に耐力壁が配置され耐震等級の適合判定が出ます。

判定結果

このサンプルの結果はいずれも適合!
最高の等級である、耐震等級3、耐風等級2を満たせるという結果になりました。

このように、「構造EX」と3Dアーキデザイナーはパッとスムーズに連携させることができるので、例えば施主との打ち合わせの早めの段階でも耐震等級の確認ができるようになります。
間取りの検討段階で耐力壁が足りないことが分かれば、「耐力壁を追加しましょう」という提案もできますし、開口部をもう少し追加できそうなことが分かれば、設計の自由度も増していきます。
プランの手戻りは時間も手間もかかるので、このようなツールを使えば効率化を図れますし、施主の目の前でシミュレーションをお見せすると、信頼度もぐっと増すのではないでしょうか
また、手戻りがなくなることで見積への影響も少なくなるメリットがあります。

「構造EX」で何ができる?【梁せい計算】

地震に強い家を作るには梁せいの寸法も非常に重要です。
「構造EX」を使えば、梁がどのくらいの大きさになるのかというのを検討する段階でも、見当をつけられます。
梁せいは、伏図にもとづく構造計算で求めていきます。 上述の仕様規定の荷重設定より、さらに細かく建物の仕様を設定します。

梁せいの寸法計算に必要な設定

1・荷重の設定
天井や床の荷重も含めて詳細に設定をします。何の部材を使用するかをプルダウンで選んでいきます。

2・軒高と最高高さの平均を入力
地震力や風圧力を求める上での必要な情報となります。

構造E 伏図画面

3・伏図を入力
自動で入力、必要に応じて修正することも可能です。画像は、2階床に伏図を入力した図。

4・樹種の情報
軒桁ではベイマツ、根太ではスギを使用といったように、部位に応じた樹種名をいれていきます。樹種の性能に応じて、計算が行われます。

これで設定は完了です。

梁せいの計算結果

梁せい計算を実行すると、あっという間に梁せいの長さが計算されました。
構造EXの「構造3Dビューア」で確認すると、必要な梁せいの寸法や、梁せいの決定要因(曲げ、たわみ、せん断)や断面欠損、梁上耐力壁も一目瞭然です。

梁せいの寸法が390mm(JAS規格)を超えているものは赤く表示される

特定の梁が受けている荷重を識別することもできる

曲げモーメントで見た図。常にかかる曲げの力と、地震の時に加算される曲げの力が計算され、梁せいの寸法を決める要因になる

もし、このように梁せいが大きくなってしまったら、梁のかけ方や樹種を変える、もしくは耐力壁の位置を変更するなど、意匠設計の段階で一緒に検討できるようになるのでスムーズです

2025年4月の法改正で、需要が高まる構造計算

プランが固まってから構造設計事務所に構造計算を発注する流れだと、構造上の問題点の発見が遅れ、構造設計者とのすり合わせのみならず、施主との計画変更のすり合わせも難しくなります。構造上の計画変更になれば、確認申請での手続きも必要となります。

「構造EX」を利用すれば、初プランニングの段階で構造検討をすることで後戻りの防止や工程のスムーズな進行が可能となります。また、構造EXの「構造3Dビューア」による可視化により、構造上の検討、施主へ提案するプランニングへの説得力が増していきます。
 
ホームズ君シリーズのコンセプトに“学びながら使えるソフト”とある通り、設計事務所の方がソフトを利用しながら、「こんな風に荷重がかかるのか」「リビングのスパンを長く飛ばしたら、こんなに梁せいが大きくなるのか」など使いながら理解し、落とし込んだ説明ができるようになったという声もあるそう。
 
自動で柱や伏図を入力できたりと、初心者にも使いやすい操作画面になっているので、3Dアーキデザイナー・3Dマイホームデザイナーとあわせて使用するのがおすすめです。

取材協力
株式会社インテグラル

住宅性能診断士ホームズ君の詳細はこちら
https://www.homeskun.com/

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest
  • クリップボードにコピー

    クリップボードにコピーしました

住宅・建築プレゼンテーションソフト

3Dデザイナーシリーズ

誰にでもすぐ使いこなせる操作性の3D建築デザインソフト。
業界や専門性に特化したラインナップで、設計からプレゼンテーションまで住宅・建築現場をサポートします。

関連サイト