作業療法士ICが伝える部屋別チェックポイント 55歳からのインテリアの作り方【序章】
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家の中は危険がいっぱい
はじめまして、作業療法士兼インテリアコーディネーター(二級建築士)の松本理絵です。(※プロフィールは本ページの最後に詳しく)
連載の第1回は序章として、作業療法士のキャリアをもった二級建築士の目線で、家の中がいかに危険でいっぱいかをお伝えしておこうと思います。
55歳。
一般的にはそろそろ子どもも成人し、夫婦での時間の使い方や、ライフスタイルを見直す時期、当然家に求めるものが変わってきます。
人は今より若返ることはないし、インテリアは車や家電のように10年単位で買い替えていくものではありません。老いていった先の暮らしは想像できないかもしれませんが、もっと先のことも見据えて整えていく必要があります。
連載のテーマを「インテリア」としたのには理由があります。
一見すると、身の危険がないように思える自宅の室内空間ですが、しかし、実は、事故による死亡者数は、家の中の不慮の事故が交通事故の4.2倍多いそうです。
中でも、高齢者や小さな子どもの被害が多く、注意が必要です。
特に、安全なはずの家の中で亡くなってしまう原因は圧倒的にこの3パターンが多いのだそうです。

つまり、入浴中の事故、転倒事故、そして食事中の誤嚥です。
次回からは、家の中の危険個所ごとの「おぼれる・ころぶ・つまる」を防ぐために、建築のプロ・施主ともに知っておいてほしいお話を、作業療法士の「医療目線」と、インテリアコーディネーターの「空間づくり目線」、その両方の視点からお伝えしていきます。
安心・安全な家づくりの参考にしていただけたら幸いです。
もくじ
1.序章 ~家の中には危険がいっぱい |
2.キケンエリア「階段」 ~絶対にころびたくない場所!階段のはなし |
3.家の顔「玄関」 ~上がり框・アプローチ・手すりのはなし |
4.トイレ ~介助を見越した広さと向きのはなし |
5.風呂 ~”おぼれる”を回避するには? |
6.リビング ~ラグを敷く?敷かない?つまづきのはなし |
7.ダイニング ~”つまる”と座位姿勢のはなし |
8.寝室 ~カーペットのはなし |
執筆者紹介
松本 理絵 氏
作業療法士(国家資格)
インテリアコーディネーター/二級建築士
有限会社宮本家具工業所 副社長
Web
公式:トータルインテリア専門店 ミヤカグ
インスタグラム も更新中
広島県インテリアコーディネーター協会 副会長

広島大学医学部保健学科を卒業し、広島市内にて作業療法士として病院で高齢者のリハビリの仕事に従事。
その後、結婚を機に夫の家業である家具製造販売会社に入社。
入社後インテリアコーディネーター資格、二級建築士資格を取得し、現在では「広島一敷居の低いインテリアコーディネーター」をキャッチコピーに、お客様の生活空間を豊かにするためのインテリアを提供している。
「元医療職をいかして、目の前の困っている人のニーズをしっかり拾って寄り添ったリフォームやアイテム選定など心がけています。」