「住んでみたい家」をプランニング。試行錯誤の楽しさを学ぶ―東播工業高校建築科 作品展レポート

  • 取材

兵庫県立東播工業高等学校作品展

兵庫県立東播工業高等学校の建築科作品展「ケンチク、する」が2025年1月24日~26日の3日間、加古川駅前ヤマトヤシキにておこなわれました。
地域の人々に生徒の取り組みを知ってもらうため、毎年一般公開されている同作品展。1年生から3年生まで授業で制作した設計図や模型がずらりと展示されています。

なかでも、2年生が展示するのは「住んでみたい家」をテーマに、マイホームデザイナーを使ってプランニングした作品です。この授業にかける思いや生徒たちの成長について、建築科教諭の大山賢先生にお話を伺いました。

設計から模型作りまでの流れ

まず、生徒たちはアイデアを考え、エスキス(*)を作成していきます。
その後、平面設計を進めながら、マイホームデザイナーの使い方を学びます。そして、実際にマイホームデザイナーを使って平面図を立体化し、最後に模型作りへと進んでいきます。
(*エスキス:プランニングの初期段階で簡易的にコンセプトや概念図をまとめたもの)

プランの課題には、敷地の広さ、家族構成、建ぺい率、2階建てであることなど細かい規定を設けており、生徒たちはそれらの条件を考慮しながら、情報誌などを参考に自分の理想の家を設計します。

しかし、最初のうちは広さの感覚がつかめず、現実離れした広さになってしまったり、間取りが迷路のようになってしまうこともあるそうです。そこで、先生の指導を受けながら、理想と現実のバランスを取り、一般的な規格に合わせた設計へと修正していきます。

兵庫県立東播工業高等学校 生徒の作品

生徒たちが設計し、丁寧に作り上げた模型。細部まで工夫が施されています。

作品展の意義

この作品展を開催する意義について、大山先生は次のように語ります。

「まずは楽しさ。そして、探究心。最後に達成感。」

実際に家を設計してみると、思い通りにいかないことがたくさんあります。
その中で、「どうやったらうまくいくか」と試行錯誤することの楽しさをまずは感じてほしいです。自分自身が考えたものが形になって残るというのはとてもうれしいですよね。

でも、理想ばかりを詰め込んだ美術品になってしまっては意味がありません。実際にそこで生活することをイメージしながら設計し、現実的な住まいとしての完成度を高めて達成感を得てほしいと思っています。

約8ヶ月にわたる取り組みの中で、生徒たちは「楽しくなって、どんどん作り込みたくなる」といった反応を見せたり、「模型を作ってみると、平面図の段階でもっと工夫すればよかった」という反省点に気付いたりしています。試行錯誤を重ねる中で問題を解決する力が養われていると思います。

メガソフトがVR体験会を実施

作品展の会場では、メガソフトが生徒さんやそのご家族の皆さんに向けて「自分の設計した家」にVRで入ってみるという体験コーナーを設けました。実物大の部屋の広さや通路幅を体感できる貴重な機会となり、生徒さんたちは「わぁ!」と驚き、感激していました。
また、「キッチンの配置が難しかった」「もっと検討して家具を置けばよかった」といった声も聞かれ、VR体験を通じて新たな発見を得ることができたようです。

どの作品も生徒たちのこだわりが詰まった作品展。
来場者も間取りプランを見て、暮らしを想像しながら楽しそうに見学していたのが印象的でした。来年度の作品展も楽しみにしています。

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