「ビジネスの後ろ盾となれるように」インテリアコーディネーター協会関西が一般社団法人化
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2025年4月3日。
この日、関西一円のインテリアコーディネーターらが集う「インテリアコーディネーター協会関西」が任意団体から一般社団法人となった。
これに先駆けて開催された「キックオフミーティング」にお邪魔して、法人化への経緯や今後について代表理事の大西哉子氏らにお話をうかがった。
設立は、阪神・淡路大震災の翌々年の1997年。
「資格を取ったものの活動の仕方がわからないインテリアコーディネーター、現場を知らないインテリアコーディネーターたちを自らのチカラで引き揚げていきたい」との思いから、早川百代氏(初代会長)、新治照美氏(二代目会長)を含めた7名のインテリアコーディネーターが自ら立ち上げた。
インテリアコーディネーターの協会・クラブは都道府県別が多いが、インテリアコーディネーター協会”関西”としたのはインテリア産業協会・関西支部のエリア*を意識して。
「都道府県の境界は商圏の境界線ではないし、関西でまとまった方が人数も多くなり、できることも増える」と考えたからだという。(早川氏)
現在の会員数は72名(2025年4月現在/準会員含む)。2年後120名を目指している。
(*インテリア産業協会・関西支部のエリアには福井県も含まれるためお誘いしたが、すでに協会があったためインテリアコーディネーター協会関西には含まなかった)
インテリアコーディネーター協会の在り方を考え始めた
Q:この度は一般社団法人化されたとのこと、おめでとうございます。
法人化することにしたきっかけを教えてください。

ありがとうございます。
4年くらい前にとある会合から戻った当時の会長・上村(前会長)が
「うちだけ法人じゃなかった。信用がない感じがする。」と言ったのです。それまでもそう感じることはありました。また、弊会の企業会員にお誘いしても、なかなか良いお返事をいただけない、といったことも時々ありました。
これまでは○○さんがいるから、と義理・人情で会員になってくださった企業様もありましたが、時代は変わってきています。会費をいただいて運営する以上、弊会も、きちんと法人格を持つ方がよいのではないか、と思い始めていたのです。
会員各人がフリーランスとして一人で仕事をしていくうえでも、インテリアコーディネーター協会関西がきちんとした後ろ盾として機能するには社会的な信用のある団体であることが必要になってきます。
このまま楽しく活動しているだけでは、協会が衰退していくのでは?と心配でもありました。
会員に聞く > インテリアコーディネーター協会関西に所属している理由
▼インテリアコーディネーター協会関西に所属することで、企業の最新情報を知ることができたり、勉強をする機会に出会えたり、一人で活動している者にとってのメリットは大きいです。法人化することで、ビジネスの後ろ盾ができるので、ますます所属することのメリットは増えると期待しています。
▼他県から移転してきてすぐ所属することにしました。他県にいたときも地元のインテリアコーディネーター協会に所属していましたし、知り合いのいないところで仕事を得るのは難しい。
協会に所属することで一番期待しているのはメーカーや人とのつながりです。
▼今はハウスメーカーでインテリアコーディネーターの仕事をしていますが、年々マネジメントや大きな案件を担当するようになり、一番やりたい規模の仕事が出来なくなってきました。任せてもらえることはありがたいことなのですが、いずれは独立したいと考えています。
その準備の一環としてフリーランスや独立したインテリアコーディネーターさんたちの働き方を学ばせてもらっています。
▼私はフリーランスではないので、単純にインテリアコーディネーター仲間とつながりたかったというのが所属のきっかけで、楽しくて参加しています。ですから、法人化もそれほど必要ないと思っていましたが、法人化することで仕事をしやすくなる人がいるなら、と考えが変わりました。
▼インテリアコーディネーターになったばかりの頃は、価格設定も何もわからない状態だったので、仕事の始め方、やり方を学びたくて入りました。定例会などで先輩たちに相談を持ち掛けると親身になって話を聞いてアドバイスもしていただける、私にとっては大切な学びの場です。
▼インテリアコーディネーターになるにはどうしたらいいかがわからず、他の資格を取りました。そこでたまたまインテリアコーディネーター協会関西の方と出会い誘ってもらったのが入会のきっかけです。インテリアコーディネーターになりたてですがこれから皆さんに教えてもらいながらインテリアコーディネーターの仕事を増やしていけたらと思っています。
法人化まで4年かかった
Q:法人化はスムーズに進みましたか?

法人化を本気で考え始めてから4年かかりました。
まず、法人化が実現可能なのかを各方面の専門家に相談しながら、法的、資金的、運営的にどうか、と何か月もかけて検討しました。現実的なアウトラインが見えてきた段階で、会員に向けての説明会を数回にわたって開催しました。
もちろん、全員が即賛成!とはならず、反対意見も多数ありました。
けれども、上村(前会長)は「時代に即した運営」を念頭に置いていましたし、協会としての健全な発展と存続を考えたとき、ここで思い切って舵を切るべき、というのが、当時関わっていた者全員の共通認識でもありました。
ただ、会員にはじっくり考えてほしかったので、強引に推し進めることは避けようと考えました。
そこからは、総会のたびに、「法人化の準備をする」こと、「準備が整ったので法人化する」こと、「定款が完成したので、登記手続きに入る」こと、それぞれに承認をもらって、というように進捗を伝えながら、ゆっくりゆっくり進めました。
時間はかかりましたが、慣れ親しんだ環境が変わるのは不安なことですから、不安を取り除き、法人化後のインテリアコーディネーター協会関西に希望を持ってもらうためにも、必要な時間だったと思います。
■新治照美氏のコメント(創設メンバー/二代目会長)
「私が会長をしていたころから”法人化”はやりたいことのひとつとしてありました。当時は時期尚早との声もあり断念しましたが、今、こうして実現できたことをとてもうれしく思います。
法人格は所属インテリアコーディネーターの活躍の場を増やす大きな力になるはずです。みんなでインテリアコーディネーター協会関西を盛り上げていってほしいと思います。」
企業・他団体・教育機関と連携を強化して、「入れてください」と言ってもらえる協会へ
Q:そしてついにですね。おめでとうございます!これからについて教えてください。

ありがとうございます!
でも「ついに」というよりも「ここからがスタート」という気持ちの方が大きいですね。
これまでは内部事業が運営の軸でしたが、これからは外部との連携を図るための事業にも注力していきたいです。
協会単体でできることは限られていますが、関連企業様や他団体、教育機関などとネットワーク構築を図りながら、もっとインテリアコーディネーターが活躍できる取り組みを行っていきたいし、社会活動にも力を入れていきたい。
そういった新しい挑戦がチャンスを生んで、ビジネスにつながり、1つ1つ積み重ねていくことでインテリアコーディネーター協会関西の厚みを増していければと思っています。
そして近い将来、インテリアコーディネーター協会関西に「入ってください」ではなく「入れてください」になるかもしれないというところも期待しています。
Q:これからのインテリアコーディネーター協会関西さんがどんな活動をしていかれるのか、楽しみにしております。貴会のますますのご発展をお祈りしています。

ありがとうございます!
6月11日 一般社団法人化の記念式典を開催
Q:ところで、6月に一般社団法人化の記念式典を開催されると伺いました。

はい。
6月11日に「一般社団法人インテリアコーディネーター協会関西設立記念式典」を開催します。また、式典の後には場所を変えて交流会「AFTER-PARTY」も開催します。
弊会のホームページにて詳細をご案内しておりますので、ぜひ事務局までお問合せください。
https://sites.google.com/view/ica-kansai2025party


Q:大西代表理事、一般社団法人 インテリアコーディネーター協会関西の皆さま、貴重なお話をありがとうございました。

インテリアコーディネーター協会関西/一般社団法人化「キックオフミーティング」にて、集合写真