階段で注意すべき3つのポイント【3Dデザイナーシリーズ 階段マスターへの道④】
- 3D活用法

3Dデザイナーシリーズでは自由な階段設計が可能ですが、操作するうえで注意していただかないといけないことがあります。
当記事では、階段操作をする際に注意すべき点について3つご紹介します。階段設計をスムーズに行っていただくためのご参考になれば幸いです。
※当記事は、3Dアーキデザイナーを使用しています。3DマイホームデザイナーPRO10、PRO10EXをはじめとした、他の3Dデザイナーシリーズでも共通の内容となっております。
階段は必ず部屋の上に配置する
内階段を配置する場合は、部屋の上に配置しないと警告が表示されます。
例として、部屋がない場所に階段を配置したらどうなるのかを見てみましょう。

階段の上に警告アイコンが表示されており、階段プロパティ右下にも「内階段が部屋の中にありません。」という警告文が表示されています。

この状態で立体化し外観を確認してみると、階段が剥き出しになってしまっているのがわかります。
部屋の外に階段を配置している状態になるので理屈としてはそのとおりなのですが、この問題は階段の下に部屋を配置することで解消できます。

[ナビボタン]→[部屋作成]から[ホール]を階段と同じ位置に配置したところ、警告アイコンが消えました。これで再度立体化をしてみると……

剥き出しになっていた階段の外側に壁が作られました。
このほかにも、住宅性能表示制度の等級基準に満たない設定になっていると警告表示されます。警告が表示される場合は文章の内容に沿って設定を見直してみてください。
階段のサイズ変更はプロパティを使う
階段のサイズ変更をする際、ついつい黄色のハンドルをドラッグしてサイズを変更したくなってしまいますが、この方法だと踏面の寸法がおかしなことになってしまいます。
左側の階段とサイズを揃えようとして黄色ハンドルをドラッグしたら、踏面が広がってしまった例。警告アイコンも表示されてしまいました。
階段サイズを変更したい場合は、階段プロパティを編集します。
以下の4つの項目を編集することで、踏面の寸法を変えずにサイズを変更することができます。
- 総段数
- 廻り部
- 直進部/上
- 直進部/下
例えば左の階段と同じ設定にするには、廻り部を[平坦(1段)]、直進部/上を[7]に変更します。
これで踏面の寸法を変えずに同じサイズに変更することができました。
3D画面で編集・削除した階段は、再立体化するとリセットされてしまう
間取り画面で配置した階段を3D画面で編集・削除し、間取り画面に戻って再立体化すると、編集した内容がリセットされてしまいます。
これは何故かというと、[立体化]を行うと間取り画面で配置されている階段や部屋、窓などは毎回新しく生成されるため、再立体化する度に間取り図上の階段が作成されてしまうからです。
階段は躯体なので、他の躯体同様に3D画面ではなく間取り画面で編集を行う、と考えていただければわかりやすいかと思います。
※3D画面側でパーツとして配置した階段は躯体ではないので、再立体化しても編集した内容はリセットされません。
文章での説明だけだと少し伝わりづらいかもしれないので、3D画面で編集・削除した場合に起こる現象について、画像付きでもう少し具体的に解説します。
例1)3D画面階段を削除 → 間取り画面位置を移動し再立体化した場合

【1】3D画面で階段を削除し、間取り画面に戻ります。

【2】間取り画面では削除したはずの階段が残っています。この階段の位置を右に移動して再立体化してみました。

【3】【1】で削除したはずの階段が立体化したことで再生成されたため、踏板に設定していたテクスチャがリセットされています。
例2)3D画面階段を削除 → 間取り画面デザイン編集をして再立体化した場合

【1】3D画面で階段を削除し、間取り画面に戻ります。

【2】例1でもご説明しましたが、間取り画面では削除したはずの階段が残っていますね。この階段に対して[デザイン変更]をし、再立体化してみます。

【3】例1と同様、削除したはずの階段が再生成されました。踏板のテクスチャもリセットされています。
例3)3D画面踏板のテクスチャ、フレームの色を編集 → 間取り画面階段の幅を変更して再立体化した場合

【1】3D画面で踏板のテクスチャ、フレームの色を設定し、間取り画面に戻ります。

【2】階段の幅を[910mm]→[1,000mm]に変更して、再立体化してみます。

【3】右側だけフレームの色がリセットされてしまいました。
このように間取り画面で配置した階段を3D画面側で編集してしまうと、作業のやり直しが発生する恐れがあります。
階段に限らず躯体を編集する場合は、以下のポイントを押さえておきましょう。
Point
- 躯体の編集は、3D画面ではなく間取り画面で行う。
- テクスチャや色など、3D画面での編集作業が必要な場合は、間取り画面での編集を終えた最終工程で行う。