積算の基本と効率化のコツ|積算担当者のためのガイド
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「積算」と聞くと、「時間がかかる」「手間が多い」「ミスが怖い」といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
積算は、工事を赤字にしないための非常に大切な工程です。
工事費用をしっかり積み上げられなければ、見積の段階で利益を圧迫したり、後から追加費用が発生したりするリスクもあります。
今回は、積算の基本的な流れと、現場でありがちな課題を解決するコツをご紹介します。
積算とは?基本をおさらい
積算とは、建設工事に必要な材料・作業・人件費・諸経費などを一つずつ積み上げ、総工事費を算出する業務です。
建築業界では、工事の内容・場所・仕様が案件ごとに異なるオーダーメイドのため、毎回「一棟一棟」積算が必要になります。
一方で見積りは、積算結果に会社の利益や諸経費を加えた「請負金額」であり、顧客に提示する最終的な金額です。つまり積算は“社内向けの計算”、見積りは“社外向けの提示金額”という役割の違いがあります。
積算の流れ

【1】 数量を拾い出す
積算の最初のステップは、設計図面や仕様書を読み取り、材料や人材の必要数量を拾い出す作業です。
たとえば壁や床の面積、柱や梁の本数、コンクリートの打設量など、工事に必要な要素を1つひとつ図面から数え上げていきます。この工程は「拾い出し」と呼ばれ、積算の中でも特に時間がかかる上に、経験と正確さが求められる部分です。
拾い出しが不十分だと、工事に必要な数量が足りなくなったり、逆に余分な数量を計算してしまいコストが膨らんだりする恐れがあります。
また、同じ工事内容に見えても現場条件や工法、施工場所、規模によって必要数量は異なるため注意が必要です。住宅であれば、社内で整備された標準仕様書や過去物件の実績データをもとに数量を判断するケースが一般的です。間取りや構造が似ていても、施主の要望や敷地条件によって材料や工事内容は細かく変わるため、設計図面だけでなく仕様書・仕上げ表・現場条件などを照らし合わせながら、できるだけ正確に数量を拾い出すことが求められます。
拾い出しの段階で迷うことが多い方は、チェックリストやテンプレートを用意する、または拾い出し機能のある積算ソフトを活用することでミスや漏れを防ぎやすくなります。
【2】 単価を設定し工事費用を算出
次のステップは、拾い出した数量に対して単価を設定し、工事費用を算出する作業です。
単価とは、材料や施工1単位あたりにかかるコストのこと。
たとえば「1㎡あたりのクロス貼り単価」や「1m³あたりのコンクリート打設単価」など、工種ごとに基準単価を設けます。
ハウスメーカーの場合、自社で蓄積してきた標準単価や過去物件の実績データをもとに単価を設定するのが一般的です。支店や地域によって若干異なることもあるため、実際の施工条件や協力業者の見積を踏まえて調整することもあります。
また、同じ仕様でも敷地条件や地域差(地盤対策など)によって必要な工事内容が変わることもあるため、単価設定ではそれらを加味しておくことが重要です。たとえば、材料の運搬距離が長い、敷地が狭くて施工効率が落ちる、天候によって工期が延びるといった要因も、見積に含めて考える必要があります。
こうして、拾い出した数量に単価を掛け合わせ、工事費用を積み上げることで、住宅1棟あたりのコストが明らかになります。
【3】 書類を作成する
最後に、算出した工事費用をもとに見積書や内訳書、明細書といった書類を作成します。
積算で求めた工事費用に、一般管理費や利益を加えた金額が請負金額となり、見積書として顧客や元請けに提示します。
このとき重要なのが、見積書の根拠となる内訳書や明細書の整備です。
材料や作業の数量、単価、金額を明記した書類が添付されていないと、見積の信頼性が下がるばかりか、後から「なぜこの金額になったのか」という説明ができずトラブルにつながることもあります。
さらに、社内の実行予算や原価管理においても、この段階の精度が欠かせません。
項目の漏れや計算ミスがあると、工事が進むにつれて赤字が発覚するリスクもあります。
書類作成はExcelなどでも可能ですが、積算ソフトを活用するとフォーマット統一やデータ連動ができるため効率的です。
数量拾い出しから単価設定、書類作成までの流れを一元化すれば、積算作業の時間を大幅に短縮できます。
積算をスムーズに進めるためのポイント

①施工条件を早めに整理する
積算作業の精度を高めるためには、設計図面だけでなく現場の施工条件を事前に明確にしておくことが非常に重要です。
たとえば、敷地の形状や接道条件、搬入経路、近隣の環境などによって、必要な仮設や施工手順が大きく変わることがあります。
こうした情報が不明確なまま積算を進めると、あとから「追加で足場が必要だった」「重機が入らず作業効率が落ちた」など、想定外のコストが発生して見積金額と乖離してしまうリスクがあります。
現地調査や施主・営業担当者へのヒアリングを通じて、設計や積算に影響する条件を初期段階で共有・確認しておくことが、正確な見積の土台となります。
とくに敷地条件・施工時期・周辺状況は、積算精度に直結する要素として意識しておきましょう。
② 項目・金額をチェックリスト化する
積算ミスの多くは、「入れ忘れ」「書き間違い」「項目の重複」といった基本的な人的ミスによって発生します。特に経験が浅い場合や、似たような工事が続く場合ほど、見落としや思い込みによるエラーが起こりがちです。
それを防ぐためには、自社で積算に使う標準フォーマットや積算項目の一覧表を整備し、チェックリストとして活用することが有効です。
たとえば「直接工事費 → 材料費・労務費・直接経費」「間接工事費 → 共通仮設費・現場管理費・一般管理費」など、項目単位で確認できる表を用意しておくことで、抜け漏れや二重計上を防ぎやすくなります。
加えて、案件ごとの特有項目(例:擁壁工事、外構、地盤改良など)を補足的にチェックできる欄を設けておくと、例外対応にも強い積算体制が構築できます。
積算ソフトを活用する
積算作業をすべてExcelで行うケースもありますが、図面の変更や数量の再拾い、金額調整が何度も発生する現場では、作業効率や正確性に限界があります。
こうした場面で力を発揮するのが、積算見積ソフトの導入です。
たとえば「建築みつも郎」のようなソフトを使えば、数量・単価・見積明細が連動した状態で管理できるため、項目の修正やまるめ作業もワンクリックで対応可能。実行予算や発注書、粗利率なども自動計算されるため、積算だけでなくその先の業務までスムーズにつなげることができます。
とくに、積算を専門にしていない担当者や営業職が対応する場合には、作業手順が明確で、テンプレート化されたソフトの存在が心強い支えになります。
積算は建設工事の利益を左右する大切な工程です。
しかし、経験が少ないと時間も手間もかかりやすいのが実情。
だからこそ、「建築みつも郎」のようなツールを活用して、正確でスピーディーな積算フローをつくることが重要です。
積算見積ソフト「建築みつも郎」

・設計変更が入るたびに拾い出しをやり直す
・Excelで作業しているが、項目の抜けや転記ミスが不安
・内訳書・明細書のフォーマットがバラバラで、社内外で共有しづらい
こうした課題を解決できるのが、積算見積ソフト 「建築みつも郎」 です。
「建築みつも郎」は、建築工事の積算から見積書作成まで可能な積算ソフトです。
数量拾い出し・単価設定・書類作成といった積算の流れをひとつのツールで完結できるのが最大の特徴。
建築業務に特化しているため、積算担当者はもちろんのこと、たまに積算を行う担当者でもすぐ使いこなせるシンプルな操作性を備え、圧倒的な使いやすさで選ばれているソフトです。
業務全体のスピードと連携力を大幅にアップできる機能

1. 実行予算・原価管理まで一気通貫
見積データをそのまま実行予算や原価管理に活用でき、明細ごとの粗利金額も常時確認できます。
積算から予算管理までの流れを分断せず、ムダなく正確に進められます。
2. 金額調整(まるめ)作業が一瞬で完了
提出直前に必要な金額調整も自動計算でスピーディー。
階層単位での金額指定や、実行と見積の変換もスムーズに行え、端数処理までシステムが正確に対応します。
3. 歩掛対応で根拠ある積算を実現
名称マスタに歩掛率を登録できるため、公共・民間問わず“根拠ある単価設定”が可能です。
労務費や運搬費なども行属性で集計でき、見積の精度向上に直結します。
4. 大規模案件でも破綻しないデータ構造
6万行・6階層まで対応できるので、大規模工事や複数棟の案件でも安心。
見積書3,000ページ相当のデータでも安定稼働する高い処理能力を備えています。
5. 発注・業者管理の効率化
見積データを業者別に自動分割して発注書を作成でき、業者コード管理も可能。
見積作成の延長で発注・予算管理までスムーズに連動できるため、社内全体の業務効率が向上します。
3Dマイホームデザイナーで作成したプランの数量の拾い出しが可能!
3Dアーキデザイナー/3DマイホームデザイナーPROシリーズには、配置したパーツ情報の書き出しや、壁・床の面積出力ができる機能があります。
このデータを「建築みつも郎」と連携して使うことで、見積ソフトに入力する部材や数値の拾い出しの手間が短縮できます。
※なお、「建築みつも郎」は、3Dソフトからの数量をもとに見積書を効率的に作成できるツールであり、完全自動化するものではありません。
<連携の手順>
例:3DマイホームデザイナーPRO101.3DマイホームデザイナーPRO10でプランを作成
2.3DマイホームデザイナーPRO10の「面積・パーツ出力機能」で作成したデータをCSV形式で出力
3.建築みつも郎17を起動し、出力したCSVデータから、見積に含める部材を選択してデータを読み込めば完了です「建築みつも郎」を活用すれば、作業時間の短縮はもちろん、ミスの削減や社内標準の統一にもつながり、積算業務の質とスピードを大きく改善できます。
積算をもっとラクに、もっと確実に進めたい方は、ぜひ「建築みつも郎」の導入をご検討ください。「建築みつも郎」と連携可能なソフト
・3Dアーキデザイナー11 Professional
・3DマイホームデザイナーPRO10/PRO10EX
・3D住宅リフォームデザイナー10
・3DインテリアデザイナーNeo10
・3Dアーキデザイナー11 Professional OfficePack
・3DオフィスデザイナーPRO10
・3Dオフィスデザイナー11 Professional EX
・3D医療施設デザイナー11\ お得なセット販売もあります/